Супрематизм
この『Welcome To The Desert Of The Real』シリーズはロシア・アヴァンギャルドを代表する画家、カジミール・マレーヴィッチが提唱したシュプレマティスム(Супрематизм: 絶対主義)の手法を取り入れている。しかしそれはマレーヴィッチのシュプレマティスムのように純粋で絶対的なものを指向する作品ではない。
「シュプレマティズムの対象欠如は実用に供されることのない無として、このような非対象性が行為する人間の本質、人間の真実となる。画家は、自分の活動が実用的対象性の外にあることを認識した。絵画は自然のように生き、作用するのであり、もはや詩作や建築のように実用的・実利的な目的を知らないのである…」 Kasimir Malewitsch:Suprematismus-Die gegenstandslose Welt,Koln 1962,S.164
マレーヴィッチの場合、絵画芸術を解体し、装飾的なもの、叙情的なもの、形や色彩をそぎ落としていき、絵画が絵画として成立する極限に立ち向かっている。それは破壊することによって創造するという転換行為に導くための過程でなければならない。なぜならそれは運動の瞬間でしかなく、絶対芸術は現実には存在出来ないからだ。しかしながら、印象派の作品等をみてもわかるようにその瞬間を捉えて定着するといった行為によって芸術作品を造り出すことは可能だ。シュプレマティズムの作品も絵画が絵画で無くなるその刹那を捉えた作品だといえよう。
9.11とそれに関連して起こった破壊行為。それを定着することはジャーナリズムに任せよう。芸術はその破壊の混沌や無秩序のなかから新たな世界を創造していかなければならないのだ。
コメント
TrackBack URL : http://www.art-nomad.net/blog/2005/07/19/post-59/trackback/
この投稿には、まだコメントが付いていません
コメントの投稿
改行や段落は自動です
URLとメールアドレスは自動的にリンクされますので、<a>タグは不要です。
以下のHTMLタグが使用可能です。<a href="" title="" rel=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <br> <code> <em> <i> <strike> <strong>



