言葉なき歌
中原中也が好きだが、宮澤賢治にはかなわない。
中也もそれを分かっていたと私は思う。
そのことをそのうち書きたいと思っています、、、。
言葉なき歌
あれはとほいい処にあるのだけれど
おれは此処で待つてゐなくてはならない
此処は空気もかすかで蒼く
葱の根のやうに仄かに淡い決して急いではならない
此処で十分待つてゐなければならない
処女の眼のやうに遥かを見遣つてはならない
たしかに此処で待つてゐればよいそれにしてもあれはとほいい彼方で夕陽にけぶつてゐた
号笛の音のやうに太くて繊弱だつた
けれどもその方へ駆け出してはならない
たしかに此処で待つてゐなければならないさうすればそのうち喘ぎも平静に復し
たしかにあすこまでゆけるに違ひない
しかしあれは煙突の煙のやうに
とほくとほく いつまでも茜の空にたなびいてゐた『在りし日の歌』中原中也
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